皆さんの中には「お盆に海に行ってはいけない」と家族や知人から言われた経験がある人も多いのではないでしょうか。
ですが、なぜお盆に海に行ってはいけないのかという理由についてまでは説明を受けることもほとんどなく詳しく知っている人は意外と少ないと思います。
今回は、そんなお盆に海に行ってはいけない理由について解説していきます。
お盆に海に行ってはいけない理由とは?
地域や年代に関係なく、「海に行くのはお盆まで」や「お盆に海に行ってはいけない」と言われた経験のある人は多くいます。
しかし、その理由については詳しく知っている人も少なく、「昔からそう言われている」くらいの曖昧な説明になりがちです。
そこでお盆に海に行ってはいけない理由を調べてみたところ、いくつかの理由が見つかりましたのでご紹介します。
クラゲが発生する時期だから
お盆の時期から、海ではクラゲが大量に発生するようになります。そのため、お盆に海に入るとクラゲに刺されてしまう危険性が増します。
また、水草が増えたり水温が低下したりと水の事故が増えることから、この時期に海に行ってはいけないと言われるようになったようです。
台風が発生しやすい時期だから
お盆の時期である8月は、台風が多く発生する時期でもあります。台風により風が強くなり、波もいつもよりも高くなることから水難事故のリスクが高まり危険です。
また浜辺の天気は良くても、会場で台風が発生していると大きな高波が押し寄せてくる可能性もあるため、この時期は不用意に海に近づかないためにも「行ってはいけない」と言われています。
土用波や離岸流が危険だから
台風による高波の他にも、土用波(どようなみ)と離岸流の危険性も高まるのがお盆の時期です。土用波とは夏の土用のころに打ち寄せる波のことを指し、天気も良く風もないのに突然やってくる大きな波です。
離岸流は、岸から沖に向かって一方的に強い流れで、離岸流が起こると大の大人が踏ん張っていても簡単に足を持っていかれるほどの強い流れで沖まで流されてしまいます。
天気が良くても起こりうるため予想がしにくく、そのためお盆に海に行ってはいけないと言われているのかもしれません。
霊に連れていかれると言われているから
お盆に海に行ってはいけない理由として、「霊」というキーワードはよく耳にするかもしれません。お盆はご先祖様が帰ってくる「迎え盆」と、あの世に戻っていく「送り盆」があり、その時期に海に行くと「足を引っ張られる」とも言われたりもし、霊とともに連れていかれてしまうと言い伝えられてきています。
またお盆はご先祖様をお迎えして敬意を払うべきだと考える人も少なくなく、この時期に海に遊びにいくのは「ご先祖様に失礼だ」と感じる人がこのような事を言ったのかもしれません。
海がダメなら川ならOK?
海に行ってはいけないのであれば川に遊びに行こうと考える人もいるかもしれません。
しかし川も海と同様に水温が低下し心臓への負担が大きくなるため安全とは言い切れず、急に深くなったり流れが速くなったりと注意が必要です。
お盆は釣りも良くない?
直接水に入らずに楽しめる釣りも、お盆中はあまりやらない方が良いとされています。
仏教ではお盆の期間中、「不殺生戒(ふせつしょうかい)」とされており殺生が禁止されているため、日本では一般的にお盆期間中に釣りに行くのを控える方が良いかもしれません。
まとめ
そもそもその時期の海がクラゲの大量発生や高波などとても危険であるという理由だけではなく、霊に連れていかれてしまうという言い伝えや伝承などの理由も見られました。
お盆の時期は絶対に海に行ってはいけないということはありませんが、このような理由があるということを思い出し、安全第一で遊ぶようにしましょう。