行ってはいけない島は世界中に存在し、その理由は神聖な場所、危険な場所、特別な目的で管理されているなどその理由は多岐に渡ります。中には入ると違法になる島もあるということで、今回は行ってはいけない島とその理由について紹介していきます。
沖ノ島(福岡県宗像市)
沖ノ島は、福岡県宗像市に属する玄界灘に浮かぶ周囲4キロメートルの小さな島です。正式名称は「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として2017年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。
この島は、単なる地理的な場所ではなく、島全体が宗像大社沖津宮の御神体とされており、古くから神聖な場所として信仰されてます。
行ってはいけない理由
行ってはいけない島の理由として沖ノ島は世界遺産にも登録されているほど、非常に神聖な島ということで古くから厳格な禁忌(女人禁制、多言無用など)が守られています。島の神聖性を保つため、原則として神職や学術調査関係者以外の一般人の上陸は全面的に禁止です。
ただし、例年5月27日に行われる現地大祭の際のみ、抽選で選ばれた約250人の男性が上陸し、沖津宮を参拝することができます。
南硫黄島(東京都小笠原村)
南硫黄島は、東京都小笠原村に属する無人島で、小笠原諸島の火山列島の最南端に位置しています。これまでに人が定住したことがなく、人間の影響をほとんど受けていない「原生自然」が奇跡的に保たれているのが最大の特徴です。
その貴重な自然を守るため、1972年に全島が天然記念物に、1975年には自然環境保全法に基づき、「南硫黄島原生自然環境保全地域」に指定され全域が立入制限地区となりました。これは、日本国内で最も厳しいレベルの自然保護指定の一つです。
行ってはいけない理由
日本国内でも最も厳重な自然保護のために一般人の立ち入りは一切禁止です。2011年には小笠原諸島の一部としてユネスコ世界自然遺産に登録され、その価値は国際的にも認められています。
これらの指定により、立ち入るには環境大臣の許可など特別な手続きが必要であり、許可されるのは学術調査などの極めて限られたケースのみです。無許可での立ち入りは、法律違反となります。
入砂島(沖縄県渡名喜村)
入砂島は、沖縄県島尻郡渡名喜村に属する無人島です。「出砂島」とも呼ばれています。NHKの朝ドラ「ちゅらさん」のオープニングに登場していたことでも知られており、かつては人が住み、神聖な場所として信仰されてきた歴史を持っています。
行ってはいけない理由
太平洋戦争後の1945年4月、米軍によって全域が接収され、1954年10月には射撃場として指定されました。現在も米軍の射撃訓練場として使用されているため、一般人の立ち入りは固く禁止されています。
渡名喜島へのフェリーなどから海上を遠望することができますが、上陸はできません。
稲積島(和歌山県すさみ町)
稲積島は、和歌山県西牟婁郡すさみ町の周参見湾に浮かぶ小さな無人島です。周囲約1㎞の小島ですが、その美しい景観と重要な自然、そして古くから信仰によって知られています。1971年には「稲積島暖地性植物群落」として国の天然記念物に指定され、「和歌山県の朝日・夕陽100選」にも選ばれた美しい景観でも有名です。
行ってはいけない理由
島全体が国の天然記念物に指定され、貴重な植物群落を保護していることから、島の生態系や神聖性を守るため、立ち入る際には許可が必要です。また、「稲積さんの石や草木などを持ち帰ると災いが降りかかる」という島を守るための言い伝えも残っています。
直接上陸はできませんが、その美しい姿を眺めるだけでも十分魅力的と言えるでしょう。
契島(広島県大崎上島町)
契島(ちぎりしま)は、広島県竹原市沖合の瀬戸内海に浮かぶ小さな無人島です。一見すると普通の島に見えますが、実際は、一つの企業が所有し、島全体が工場となっている「工場島」として非常にユニークな存在です。
その独特な景観から「もう一つの軍艦島」や「瀬戸内の軍艦島」と呼ばれています。
行ってはいけない理由
契島は企業が所有しているということから、私有地であり、かつ稼働中の工場であるため、関係者以外の一般人の立ち入りは固く禁止されています。
海上からの見学ツアーなどが企画されることはありますが、安全上の理由や企業の機密保持のため、島に上陸することはできません。
南鳥島(東京都小笠原村)
南鳥島は、東京都小笠原村に属する日本のはるか東の太平洋上に位置する孤島です。日本の最南端にあり、日本で一番早い初日の出を見ることができる場所としても知られています。
地理的・戦略的に日本の国益に深く関わる非常に重要な島であり、その存在が日本の広大な排他的経済水域を支え、未来の資源確保の可能性を秘めていると言えるでしょう。
行ってはいけない理由
現在は、海上自衛隊や気象庁の施設が常駐しており、国防・安全保障上の理由から一般住民の立ち入りは禁止です。また、近年はレアアースなどの海底資源が豊富に存在することが確認されており、経済的な重要性も高まっています。
しかし、調査・取材・受注作業など、目的が限定された場合にのみ立ち入りが許可されます。
第六台場(東京都港区台場)
第六台場は、東京都港区の東京湾に浮かぶ人工の島で、幕末に江戸防衛のために築かれた砲台跡の一つです。現在のお台場エリアの沖合に位置し、1962年には第三台場とともに国指定史跡に指定されました。
現在は東京都が管理する無人島となっており、一般人は立入禁止です。
行ってはいけない理由
貴重な史跡の保存に加え、野鳥の貴重な生息地となっているという自然環境の保護のため一般人の立ち入りが禁止となりました。陸地がないため、渡る手段もないのですが、レインボーブリッジの遊歩道やお台場海浜公園などからその全景を眺めることはできます。
特にレインボーブリッジの上からは、第三台場と第六台場の両方を比較しながら見ることができ、幕末の歴史に思いを馳せることができるでしょう。
最後に
今回は、行ってはいけない島とその理由を紹介しました。日本は島国で出来ていることから、たくさんの島が存在しますが、行ってはいけない島がこんなにもあるという事に驚いたのではないでしょうか。
行くことはできませんが、景観が美しい島もあるので、興味がある方はその絶景をぜひ見てみてくださいね。