皆さんは「あんぽんたん」という言葉を聞いたことはありますか?
初めて聞いたと思った方や、よく使うという方もいらっしゃるかもしれません。
あんぽんたんはちょっと馬鹿にしたような、でも憎めないような、なんとなく可愛いような、独特の言葉です。
なんとな~く聞いたことがあっても意味や使い方については知らない方も多いかもしれません。
その一方で、どこかの方言であればよく使う方もいらっしゃるかもしれないですね!どこかの方言なのでしょうか?意味で使い方なども不思議がいっぱいです。
この記事では、そんなあんぽんたんの意味や使い方、どこの方言なのかにもスポットを当てて解説していきます。
あんぽんたんの意味!どこの方言?
さて、「あんぽんたん」とは一体どんな意味なのでしょうか?どこの方言でどのように伝わってきたのでしょうか?
ここでは「あんぽんたん」の意味やどこの方言なのかについて解説しています。
あんぽんたんの意味
まず、あんぽんたんはどのようにできたのでしょうか?諸説ありますが、ここではその由来から意味を探っていきます!
言葉が変化した説
「あほんだら」という言葉が変化してできた言葉だとする説です。
さらに「あほんだら」という言葉も「あほ」と「だらすけ」(奈津崎弁で「だらすけ」は「ばか」の意味)が合わさった言葉です。
さらにさらに「だらすけ」は、「だら」(北陸の方の方言で馬鹿の意味)と「すけ」(人にむけて~すけと使う)を合わせてできた方言とされています。
薬の名前と合わさった説:
「あほ」という言葉と薬の名前が合体したという説もあります。
薬の名は「反魂丹(はんごんたん)」や「萬金丹(まんきんたん)」で、あんぽんたんも漢字で「安本丹」とされました。
魚の名前からできた説:
江戸時代にカサゴの一種とされる「あんぽんたん」が流通しておりました。
しかし、大きく一見美味しそうなのに味はイマイチということで、役立たずや愚か者の意味として使われたとされています。
外国人由来説:
江戸時代に流れ着いた外国人の名前からという説や、フランス語の「アポンタン」(性交不能の意味)から生まれたとされています。
これらをふまえるとあんぽんたんの意味は以下の通りです。
バカ・アホのような意味(人に対して)
間が抜けている、役に立たない、愚かなどの意味(人に対して)
バカなこと・アホなことの意味(行動に対して)
間が抜けていること、役に立たないこと、愚かなことなどの意味(行動に対して)
ただ少し違う点は、あんぽんたんはもう少し親しみを持った感覚や関係性で使われていることが多いです!
ひどく罵ったり軽蔑したり馬鹿にするというよりは、抜けていて滑稽な事柄やおっちょこちょいな人に親しみをもって接するときに使う言葉といえます。
どこの方言なのか
江戸時代の文献に、「あんぽんたん」が流行っていたとする記述があります。
さかのぼると京都や大阪の上方で使われていた言葉が江戸にも伝わっていたことがわかっています。そこから考えると関西弁の方言とも言えそうです。
のちに、江戸で使われていくようになり、方言でも関西に限らず広島弁や博多弁といった他の地方の方言でも使われています。
流れとしては
①初めは京都や大阪の上方の言葉
②関西弁の方言として使われる
②江戸に伝わり使われるようになった
③広島や博多のほうまで広がっていった
ある特定の地域だけでなく幅広い地域で広がっていったことを考えると共通語ともいえそうですね!
あんぽんたんの使い方
あんぽんたんの使い方はいったいどのようなものなのでしょうか?
あんぽんたんの意味は、バカ・アホ・間抜けなど罵るような意味合いではあるのですが、いざ使う状況では少し違うニュアンスであることがわかりました!
あんぽんたんは親しみを込めたニュアンスで使われます。
心の底から相手や行動について罵ったり蔑むのではありません。
おっちょこっちょいな人に対して寛容な気持ちで指摘したり、直接的な言葉をあえてあんぽんたんに言い換えることで伝わり方がソフトになります。
あんぽんたんの使い方の例
ここでは実際の使用例をご紹介します。
例えば仲のいい友人や家族がちょっとしたミスをしてしまった時
思いがけないおかしなミスをしてしまった時
友達がふざけているとき
このように、あんぽんたんは、自分や相手の抜けている部分や行動に使われます。
基本的には仲の良い人やからかっても笑いあえるような間柄で使われることが多いです。なので初めて会った人や目上の人、上司にはあまり使わないほうがよさそうです。
親しい友人や家族、小さな子供に対して向いている言葉だとおもいます。
あんぽんたんだな~と言いながらもミスを寛容に受け止めてくれているとも言えますね。
あんぽんたんの意味や出所まとめ
ここまであんぽんたんの意味や出所について解説してきました。
あんぽんたんの意味
あんぽんたんの意味は以下の通りです。
・バカ・アホのような意味(人に対して)
・間が抜けている、役に立たない、愚かなどの意味(人に対して)
・バカなこと・アホなことの意味(行動に対して)
・間が抜けていること、役に立たないこと、愚かなことなどの意味(行動に対して)
[say]あんぽんたんは親しい関係性や間柄の人に対してソフトなニュアンスで使われていましたね!
あんぽんたんの出所
あんぽんたんの出所については以下の通りです。
①京都や大阪の上方が出所。
②初めは関西弁の方言として使われていた。
③文献により江戸に伝わっていたことが分かった。
④広島や九州に伝わり、広島弁や博多弁としても使われていった。
方言として始まってはいますが共通語としてもとらえられますね。
意味や使い方を間違えると大変なことになりそうなので、使う際はお気を付けくださいね!