突然ですがみなさんは「フィボナッチ数列」をご存じでしょうか。もしかしたら「黄金比」という言葉に馴染みがあるかもしれません。
フィボナッチ数列とは、ある一定の法則で並ぶ数列のことを指しており、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチに因んで名づけられた数列です。実はこのフィボナッチ数列は、数学の分野だけではなく自然界にも多く見られ、私たちのごく身近に存在しています。
そこで今回は、フィボナッチ数列が自然界になぜ現れるのか、どの様なものにフィボナッチ数列が関係しているのかを例を用いて解説します。
そもそもフィボナッチ数列とは?
フィボナッチ数列とは、一言で説明すると一定の法則で並ぶ数列のことです。具体的には「0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144・・・」と、このような数列が続きます。
この数列の法則とは、「前の二つの数字を足した数が次の数」を繰り返し行っており、1202年にイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチの著書に記載されていたことからフィボナッチ数列と呼ばれています。
また、フィボナッチ数列の隣り合う数字の比は、黄金比(1:1.618…)と一致しており、建築や芸術の分野では最も美しい比率と言われていることは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。
フィボナッチ数列は自然界でも多く見られる
一定の法則で数字が並んでいるだけで、特に意味の無いように感じるかもしれませんが、このフィボナッチ数列は自然界にも多く潜んでいる事でも知られており、みなさんの身近な自然の中にもフィボナッチ数列は存在しています。
自然界に見られるフィボナッチ数列とは
それでは実際に、自然界に存在するフィボナッチ数列はどのようなものがあるのかを例を用いて解説していきます。
花びらの枚数
最も身近な自然である花は、花びら(花弁)の枚数にフィボナッチ数列が深く関係しています。
花弁の枚数 | 代表的な花 |
3枚 | ユリ、アヤメ |
5枚 | サクラソウ、ノイバラ |
8枚 | コスモス、サンギナリア |
13枚 | シネラリア、コーンマリゴールド |
21枚 | チコリー、オオハンゴンソウ |
34枚 | オオバコ、シロバナムシヨケギク |
55枚 | ユウゼンギク |
89枚 | ミケルマス・デイジー |
このように、花弁の枚数にフィボナッチ数列が現れる種類は多く存在しています。
ひまわりの螺旋
黄金比の説明でよく登場するひまわりもフィボナッチ数列が潜んでいます。大きな花の中心部、種の部分に注目してみましょう。ぱっと見では非常に数えにくいですが、ひまわりの種は中心から時計回りや反時計回りに螺旋状に並んでいます。
日本のひまわり種の場合、「時計回りに34列、反時計回りに21列」または「時計回りに55列、反時計回りに34列」、「時計回りに89列、時反時計回りに55列」になっていることがほとんどです。
パイナップルの螺旋
パイナップルの表皮を覆う六角形の鱗片は、左上から右下、右上から左下の螺旋構造となっており、ここにもフィボナッチ数列が見られます。
この螺旋の数は5.8.13本となっており、通常は時計回りに13本、反時計回りに8本となっているようです。
フィボナッチ数列が自然界になぜ現れるのか
ここまでいくつかの例をご紹介しましたが、そもそもフィボナッチ数列が自然界になぜこれほどまで存在しているのでしょうか。当たり前ですが、自然がこの数列を意識して進化したわけではありません。
これにはまだハッキリした理由は解明されておらず、有力な説として「花の中心部だったり動物の体の中など限られた空間の中を効率的に活用するために進化した」と考えられています。
まとめ
フィボナッチ数列とはある一定の法則で並ぶ数列で、自然界の中にも多く存在しています。
有名なところでは、「花弁の枚数」や「ひまわりの種の螺旋」などに現れており、今回ご紹介しきれなかったものもたくさんあります。
フィボナッチ整数が自然界になぜ多く存在するのか、その理由は詳しくはわかっていませんが、最適な進化を続けていった結果、フィボナッチ数列に落ち着いたのではないでしょうか。